【短距離】流しとは?短距離選手が行う目的・本数・正しいやり方を徹底解説

トレーニング

短距離の練習メニューで必ずと言っていいほど出てくる「流し」

しかし、

  • 流しって全力と何が違うの?
  • 何本くらいやればいい?
  • ウォーミングアップと練習後で目的は同じ?

このような疑問を持つ選手も多いでしょう。

この記事では、短距離選手における流しの目的・やり方・本数までわかりやすく解説します。

流しとは?

流しとは、力まずに80〜90%程度の力感で走るスプリントです

全力疾走ではなく、フォームを意識しながらスピードを滑らかに上げて、そのまま自然に減速します。

ポイントは意識するのは力の入れ方やフォームであり、スピードを落とすことが目的ではないということです。

一般的には50〜100mで行われることが多く、ウォーミングアップやクールダウン、技術練習として幅広く使われます。

ウォーミングアップについてまとめた記事はこちら☟
【400m】怪我予防とパフォーマンスを高めるウォーミングアップ|練習・試合前ルーティン

流しの3つの目的

① 身体をスピードに慣らす

ウォーミングアップはジョグやドリルだけでは筋肉は温まっても「速く走る動き」は十分に準備できません。

流しを入れることで、

  • 神経系が活性化する
  • ピッチ・ストライドが自然に上がる
  • レーススピードへの切り替えがスムーズになる

練習のウォーミングアップでは、流しを数本入れて動きやリズムの確認をする選手が大半を占めます。

全力でなくてもスプリント動作の筋収縮や可動域への刺激を入れることで全力疾走に移りやすくなります。

② フォームを確認する

流しはタイムを狙う練習ではありません。

  • 接地位置
  • 腕振り
  • 骨盤の高さ
  • 出力のタイミング
  • リラックスした走り

などを確認することが重要です。

「速く走る」よりも「きれいに走る」ことを意識しましょう。

ただし意識的にスピードを落とす必要はありません。フォームが整いスムーズに走ることができたら少ない力でも速く進みやすいです。

③ 疲労を残さず刺激を入れる

流しは負荷が比較的低いため、試合前日やポイント練習前でも実施できます。

強い刺激ではなく、動きの質を高める刺激として非常に優秀なメニューです。

正しい流しのやり方

基本は50〜100m

距離によって目的が少し変わります。

距離主な目的
~50mキレや出だしの動き確認
60~80m動きづくり・フォーム確認
100mスピード持続・リズム確認

さらにスピード持久などの刺激入れをしたい場合は110〜150mで行います。

初心者なら60m程度から始めると取り組みやすいでしょう。

力感は80〜90%

最も重要なのは「頑張りすぎないこと」です。

目安は次の通りです。

  • 70%:ランニングより少し速い
  • 80〜90%:流し
  • 100%:全力走

最後まで力まず、余裕を持って走り終えるのが理想です。

加速して自然にリズムをキープする

流しは全力ダッシュではありません。

  1. 最初の20mで徐々に加速
  2. 中盤で最高速度付近へ
  3. 後半は自然にリズムキープ

急加速や力んだ走りは避けましょう。

フォーム確認のポイント

フォーム確認と言っても具体的に何を意識したらいいかわからない人もいると思います。

自分の走りの課題が何かを考えたうえで以下のようなポイントを意識してみましょう。

  • 腕振り(肩甲骨の動き、肘の伸び方、接地とのタイミング)
  • 脚の上がる高さ
  • 脚が流れていないか
  • 接地が乱れていないか
  • 膝が潰れたり極端に曲がっていないか
  • 重心の位置は悪くないか
  • 走っているときの目線は問題ないか

いきなり全て意識する必要はありません。

まずは一つを試してみたり、本数ごとに違うポイントを意識して徐々に自分の走りに落とし込めるようにしてみましょう。

腕振りのフォームについて解説した記事はこちら☟
【400m】腕振りの正解は?フォーム改善のポイントと練習方法

腰高フォームの作り方を解説した記事はこちら☟
【短距離】腰高フォームの作り方|腰が落ちる原因と改善方法

脚が流れる人はこちらの記事もおすすめ☟
【400m】脚が流れる原因と改善方法|後半で失速を抑えるフォーム作り

流しは何本やればいい?

目的に合わせ2〜5本程度行いましょう。

イメージは、

  • ウォーミングアップとして軽く刺激入れ、動きの確認だけ→2〜3本
  • 動きづくりとして反復して確認したい→3〜5本

休息は歩いてスタート地点へ戻る程度で十分です。

疲れるまで行う必要はありません。

流しと全力走の違い

流し全力走
強度80~90%100%
目的動きの確認・アップスピード向上・強化
疲労少ない大きい

特に初心者のうちは流しと全力の違いを区別しにくいですが、流しは「動きの確認・練習」全力走は「負荷をかけるトレーニング」と考えるとわかりやすいです。

初心者400m選手のおすすめ練習メニューはこちら☟
【400m】初心者向け練習メニュー|最初にやるべき3つのポイント

よくある間違い

毎回全力になってしまう

一番多い失敗です。

隣の選手と競ったり、タイムを意識すると流しの目的が失われます。

余裕を残して終われるスピードを守りましょう。

本数をやりすぎる

流しは刺激入れです。

6〜10本も行うと、普通のスプリント練習になってしまいます。

ウォーミングアップなら3本程度で十分です。

ジョグのようにゆっくり走る

流しは全力ではありませんが、全力ダッシュを正しいフォームで行う前段の練習でもあります。

ジョグのようにゆっくり走ってもスプリントとは別の動きになるため、短距離選手にとってはあまり効果的と言えません。

あくまでスプリントとして行いましょう。

400m選手へのおすすめ

400mでは、ポイント練習前に次の組み合わせをよく使います。

  • ジョグ
  • 動的ストレッチ・補強
  • 流し60m×3本、120m×2本
    – 60m:フォームと神経系を整える
    – 120m:リズムの確認と心肺機能の準備
  • メイン練習

これで最初の1本目から質の高い走りがしやすくなります。

400mを速くするための完全ガイドはこちら☟
【400m】速くなるための完全ガイド|トレーニング・フォーム・戦略まとめ

まとめ

流しは単なる軽いダッシュではなく、短距離選手にとってフォーム・神経系・スピード感覚を整える重要なメニューです。

  • 流しは80〜90%のリラックスした疾走
  • 50〜100mを2〜5本が基本
  • ウォーミングアップ・大会前・技術確認に最適
  • 全力ではなく「きれいなフォーム」を意識する

毎日の練習に正しく取り入れるだけでも、走りの質は着実に向上していきます。

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