陸上の短距離は試合シーズンと試合のない期間があります。
試合でベストなパフォーマンスを出すためには中期的なトレーニング計画を立てることが重要になります。
この記事では、
- 短距離選手の1年間の基本的な流れ
- 時期ごとのトレーニングの考え方
- 「やりすぎ」「焦り」を避ける判断基準
を解説します。
*本記事は筆者の経験ベースの計画立案方法です。
大まかな1年の流れ
まず1年の大きな流れは
シーズン(試合期)⇔オフシーズン(移行~鍛錬期)
この繰り返しです。
シーズン期(試合期)
- 試合期前半
4月〜7月 - 調整期
8月 - 試合期後半
9月〜10月
オフシーズン期(移行~鍛錬期)
- 冬期へ移行期
11月 - 冬期(鍛錬期)
12月〜2月 - シーズンへ移行期
3月
シーズン期の時期毎のトレーニング概要
試合期前半
4月、5月
【フェーズ】
気温の上昇とともにスピードとキレを上げていく。冬期で積み上げたものを試合で試すことで、取組みに対する結果が分かり始める第一段階。
【取組内容】
- 試合に出る(3〜6試合目安)
- 練習はレース意識のメニューと調整、疲労抜きのバランスをとる
※注意:判断は慎重に
この時期に結果が出ない=冬期失敗ではない
経過を見ながら適切な判断材料で見極めましょう。
6月、7月
【フェーズ】
冬期〜シーズン序盤の振返りを行い動きの修正や練習内容の調整を行う。また秋以降に向けて方針を立て直す。
【取組内容】
- 試合は継続で出る(2〜4試合目安)
- 練習はスピード系の継続をしながら必要に応じて動きづくりや補強で走りの修正に繋げる
- 400m選手は週1で良いのでペース走などでボリュームも確保する
※注意:先を見据える
取組が合っていない場合、闇雲に試合に出ても結果が出にくい時期になる。結果に繋がらない練習は早めに見切りをつける。ただしシーズン中の大幅な方針転換は取組がブレるので慎重に検討する。
調整期
8月
【フェーズ】
前半シーズンの反省を踏まえた強化練習期間。
後半シーズンに向けて疲労は溜め続けないようにオフも入れながら行う。
【取組内容】
- 練習の一環や確認も兼ねて試合に出る(1〜2試合目安)
- 練習は動きづくりや補強を反復して走りの修正を行う
- 走り込みは低負荷高回数より高負荷低回数が◎
※注意:熱中症リスクは常に考える
- 日中に練習する場合は短時間でまとめる
- 補強などは涼しい場所で行う
- 水分補給は摂りすぎくらいで良い
→練習強度よりも体調面を考慮
試合期後半
9月、10月
【フェーズ】
シーズンの集大成として試合で勝負、記録を狙いにいく局面。
【取組内容】
- 試合に積極的に出る(3〜6試合目安)
- 練習はレースを見据えた調整がメイン
冬期へ移行期
11月
【フェーズ】
シーズンを振返り取組結果に対する評価と来シーズンに向けた課題の設定を行う。
練習強度を落とすorまとまったオフ期間を入れてシーズンの疲労を抜いていく。
【取組内容】
- 試合は目的があれば出場(1〜2試合目安)
- 練習はアクティブレストベースで適度に心拍数を上げる程度でOK
冬期
12月〜2月
【フェーズ】
来シーズンに向けた課題に対する強化練習と基礎体力、筋力の向上を行う。
【取組内容】
- サーキットや距離走による基礎体力の向上
- スピード練習の継続(頻度は減らしてもOK)
- 走りのフォーム改善
※注意:スピードやタイムは意識しすぎない
気温が低いと身体の動きが悪くなりスピードやタイムが出にくい。気候や体調でばらつくので、この時期は練習のタイムで一喜一憂しない。
- タイムは参考程度でOK
- 1回の走りではなく、2〜3週間の傾向で判断する
シーズンへ移行期
3月
【フェーズ】
シーズンが目前に迫り、冬期で底上げした力をレースに使えるレベルに仕上げていく。
【取組内容】
- ボリュームの優先度を下げてキレ/スピード感を重視
- 神経系、切返しの反応を高める
- 練習の一環としてプレシーズンで試合に出る(1〜2試合目安)
年間を通したポイント
- 走りの課題からタイムへの効果の出し方までの目指す形を明確に持ったうえでスケジュールに落とし込む(「目標設定→手段の明確化→計画の立案」の順番)
- 段階を踏んだ計画を立てて定期で客観的な経過確認と必要に応じて計画の見直しを行う
- 練習の一環として記録会を活用する
まとめ
今回は年間のトレーニング計画の立て方を解説しました。
※すべてを完璧に当てはめる必要はありません。
大切なのは「今がどの時期か」を把握し、次へのビジョンを持つことです。
季節の特性を見定めながら、時期ごとに狙いと取組みを明確にして効果的なトレーニング計画を立てましょう。


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